最終講義

2011.03.03

ぼくは最早スタジオを持っていないので、スタジオブログを書くわけにはいかない。ということで、北山さん、寺田さんに相談したところ隅っこにブログ コーナーを持たせてもらって、とりあえずこの「地域社会圏」ブログを続けさせてもらうことになった。とりあえずしばらくの間、五月雨的にブログを書かせて もらいます。

4月27日のぼくの最終講義、準備運営ありがとうござました。非常に好意的に聞いていただいて、その暖かさがメディア・ホール全体を覆っていた。だから多 くの聴衆だったけど、横浜国大全体の暖かさをからだ全体に感じながらとてもリラックスしていました。できるだけ分かり易くしゃべりたいと思ったので、1年 生に最初の授業で話すような、建築って一体どう考えたらいいのかという、私なりに身につけた基本的な話しをした。建築は単なるシェルターでもないし、単な る内側の機能でもない。人間と人間との関係をつくる。共同体をつくる。共同体内共同体をつくる。つまり、空間とその空間の外側との関係が建築なのである。 集落調査から最も最近のパンギョ・ハウジング、「地域社会圏モデル」まで40年かかった。その40年間の話しをした。聞いていただいて本当にありがとうご ざいました。

パワープラントでの展覧会もとても分かり易い展示だった。シンボリックな一枚の写真と図面だけで今までのほぼすべての作品を展示するという単純な構成がむ しろ新鮮だった。北山さん、飯田さん、西沢さん、小嶋さん、寺田さん、それと設計助手の三浦さん仲さんの話しを伺いながら実感していたのはこういう人たち と一緒だったのだという充実感である。真鍋の率直な感想と藤末の山本に対する共感の言葉に心を打たれた。Y-GSAにいて良かったと言ってくれたけど、そ れはむしろぼくの心からの実感です。
みんなと3月18日に話したように3・11の震災の後、われわれはすべてが変わる時間の中にいると思う。何ができるのか考えたい。今すぐできなくてもいいから、時間をかけて考えていきたいと思う。