大西麻貴
スタジオ
土地の時間と
つながる建築

土地と建築とが結ぶ豊かな関係について考えてみたい。どのくらい時間をかけて建築をつくるか、どんな材料で作るか、誰とつくるか、人間・動物・神様・幽霊・微生物・・みんなが一緒に棲めるような空間はどんな空間か、土地とそこに流れる時間とに向き合って生まれる、これからの建築の可能性を考えたい。
例えば隣の山から木を切り倒し建築を建てると、木々が山で過ごして来た何十年もの時間が、そのまま建築入り込んでくる。昔木を植えた人の思いや、木にまつわる仕事、山の神さまや、里の人々の暮らしもつながってくる。
小豆島では、味噌や醤油といった発酵文化が盛んである。発酵をすすめる微生物たちは町の植物や木々に棲みつくのと同じように、古い梁や土壁を棲家にして、人間と一緒に暮らしている。遠野の南部曲がり家では、馬と人が一つ屋根の下で厳しい冬を凌ぐ。馬と人の空間は土間でつながり、機能的で愛情深い空間構成が生まれている。あるいは、中上健次の紀州の小説を読んでいると、日常と非日常が隣り合わせにあること、私たちが今は遠くに感じている神様や幽霊の棲む神話や民話の世界が、生活のすぐそばにあることを感じる。そんな風に、菌や動物、神様や幽霊、そして人間までが一緒にいられる暮らし、その土地でしか生み出すことの出来ない建築の可能性を皆で考えてみたいと思う。

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PROFILE

Maki
Onishi
大西麻貴
visiting associate professor
1983年生まれ。
2006年京都大学卒業後、2008年東京大学大学院修士課程修了。
同年より「大西麻貴+百田有希/o+h」を共同主宰。
2011-13年Y-GSA設計助手。
2017年より横浜国立大学大学院客員准教授。
主な作品に「Good Job! Center KASHIBA」等。
Good Job! Center KASHIBA/STUDIO Photo: Yoshiro Masuda
Good Job! Center KASHIBA Photo: Yoshiro Masuda
Good Job! Center KASHIBA Photo: Yoshiro Masuda
こどものみんなの家
二重螺旋の家 photo: Kai Nakamura
二重螺旋の家 photo: Kai Nakamura