2016年度・国際ワークショップ「BIG FORM – SMALL GRAIN」を開催しました

2017.08.01

2016年度Y-GSAサマーワークショップでは、ETHのシニア・リサーチャーであるライナー・ヘール氏を招き、TU-Berlin, UkD Berlin と共同で、ドイツのベルリンにおけるコーポラティブハウスの研究を行った。2016 年夏、Y-GSA とl.TU Berlin、UdK Berlin で共同ワークショップを行った。ベルリンの都市における居住の密集の背景には、ベルリンブロックの存在が関係している。ベルリンブロックは1920年代に計画された低所得者のための高密度集合住宅のことを意味し、街区の輪郭をなぞるように道に面した形式をもっている。同時に、近年ではコーポラティブハウスの仕組みがベルリンでは採用されている。ワークショップでは、これらを丁寧に観察していくことで、日本における木造密集地域のような高密度な居住環境(Small grain)と比較し、ベルリンブロックのような大きな単位による居住環境(Big form)の形成の可能性を探ることを目的としている。

ベルリンブロック

ベルリンの街を歩くと、どの街区でも大きな集合住宅がその外周を縁取るように建っていることが分かる。この現在も残る「べルリンブロック」は、1924 年から 1931 年の間に住環境を改善 するべく、道路に面した建物と中庭にある裏建物のヒエラルキーをなくしてブロックのように配置を行った都市計画の名残である。

ベルリンの俯瞰写真

ベルリンと、横浜は先駆けの都市である。断片化されたベルリンの都市ランドスケープが空間の専有や市民主体の活動を促進する一方で、東京における小規模な都市開発が見せる多様性は、新しい居住モデルや空間的な表現を試みる建築設計の実践に最適な敷地を提供している。

「Big Form, Small Grain」は両都市における先駆的な業績を土台として展開し、差し迫る都市の変化の必要性に応えようとする居住環境、すなわち「次世代居住都市」について問題を提起している。都市の質や共同生活はどのように改善できるだろうか? 資源不足に応え、よりサスティナブルな都市の再生産のアプローチを示すモデルとは何だろうか? 都市におけるユーザーの主体的な参加を促進するにあたって、知識や方法の共有を可能とする協同組合をどのようにして実現できるだろうか?

ベルリン、横浜の西戸部を照らし合わせながら、木造密集地域の更新方法について、次世代居住都市について可能性を探る。

workshop 1
研究の準備および調査
-1. ベルリンブロック、コーポラティブハウスの発生経緯、社会背景、文化の調査
-2. ベルリンにおけるコーポラティブハウスの事例見学
-3. ベルリンブロックから見るBig formの可能性の考察

workshop 2
日本におけるCo-operative houseの可能性
-1. 横浜市西区戸部における木造密集地域での都市の更新方法において、コーポラティブハウスを活用を検討する。

-2. コーポラティブハウスを実施すためのシステム構築の検討

workshop 3
新たな建築的手法のための仮説(プロジェクト)
-1. コーポラティブハウスの仕組みに乗せるための研究
-2. 西戸部における敷地分析とベルリンの都市との比較
-3. 設計提案検討

コーポラティブのシステムの提案
提案事例
プレゼンテーションの風景

期間  :2016/08/29〜09/05
活動拠点:TU Berlin(Technische Universität Berlin)
<指導教員>
Rainer Hehl(ETH Zuriach, TU Berlin教授)
乾 久美子(Y-GSA教授)
寺田 真理子(Y-GSAスタジオ・マネジャー)
篠原 明理(Y-GSA設計助手)
連 勇太郎(横浜国立大学客員助教)

<参加学生>
Y-GSA
石井優希/和泉芙子/金子摩耶/金銀英/栗原一樹/竹中敦哉/坪井曜子/中島健/諸星佑香/吉村真菜